意思決定を早くすれば生産性が上がると気づいた話③

前回のブログで管理間接部門の社員が意思決定が進まない理由を

 

  •  業務が属人的であり、自分が決定者として進むため慎重になる

 

と挙げ、その解決案として下記の3つを取り上げました。

 

 

  1. 属人的な業務のやり方を改善する
  2. 業務の進捗確認のやり方を変える
  3. 意思決定者を明確にする

 

では、ひとつずつ詳細を考えていきたいと思います。

 

 1.属人的な業務のやり方を改善する

一番最初に提示しましたが、よく考えると属人的なことは専門性も高く慣れていればスピードも速くなるはずですから、無理に管理間接部門の業務を多能工化すると生産性は低くなります。

実際に自分が総務部にいた際に、人事・労務・育成のチームをガラガラポンした時には全く機能しませんでした。

ですから属人的はそのままに、業務を限りなく定型化して正社員ではなくパート社員の方に業務を委譲してマネージャーがドンドンとジャッジを下していくことが生産性の向上につながる1つの方法と思います。

 

2.業務の進捗確認のやり方を変える

ほとんどの社員は自分が「ある程度仕上がった」ところで上司に報告していますが、その業務進捗確認では時間のかかり方は個々の能力に委ねられてしまいます。

ですから進捗報告を「成果レベル」ではなく「時間単位」で実施させると生産性はあがります。管理間接部門の社員は時間を自分で管理できることが多い分だけ、時間単位での進捗が必要になります。

それを促進するためには、上司も

 

「納期は3日後でいいけど、今日最終での進捗を教えてね」

 

といった時間単位の進捗の指示をすることで全体的な生産性の底上げにつながります。

 

 3.意思決定者を明確にする

これが意外に明確になってない企業が多いです。稟議書等の決済金額については「部長決済」「本部長決済」「社長決裁」と数字に表わせる基準は意思決定者が明確ですが、定性的や突発的な内容は「誰が決定するか」までは決められていません。

もちろんひとつひとつの業務に対して、決定者を設定するわけにはいきませんので、大くくりに

 

そのチームの案件についてはマネージャーが全て決定し上司の判断を仰がない

 

ぐらいの権限委譲を本部長、部長あたりが実行すれば、マネージャークラスの意思決定能力の向上につながります。

武田薬品CEOのクリストフ・ウェバーさんも

 

「権限移譲はタスクの委譲じゃない、決定権の委譲なんだ」

 

とおっしゃっています。

 

私も部長時代に、マネージャーからの判断の依頼があまりに多かったため、

 

「この基準以下の判断はマネージャーで実施してください」

「この基準以上の案件のみ判断の依頼をしてもOKです」

 

という設定をしたら、判断の依頼は激減しましたし、それで問題になることはありませんでした。

上司が『問題が起きた時が上司の出番!』ぐらいのスタンスでいることが部署に対して成長と安心を提供できます。

 

是非、日本の上司のみなさん!

思い切った『決定権』の権限委譲を部下のみなさんにしましょう!