管理部門マネージャーが他部署から受け入れられる方法④
前回のブログでは営業部門等への連絡は
内線やメールではなく、
「会って話そう!」
という内容をお伝えしましたが、
今回はその上級編?です。
その内容は・・・
呼ばれてもいない会議に出ましょう!
です。
それは無理!
というイメージを持つ方が多いと思いますが、
何にでも出て良いという訳にはいきませんので
出席できそうな会議の特徴をお伝えします。
スポットの会議
原則としては、週に1度の定例会等に参加することは社内コネクションや明確な理由がないと難しいですが、スポットで開催される会議であれば管理部門とはいえ、ハードルは下がります。是非社内の情報に敏感になっておきましょう。
会議内容が全社的な観点である
会議内容が全社的な内容であっても意外に営業系のみで会議のメンバーが構成されていることがあります。そこで、「人事の視点から」「経理としても勉強させてください」とか言えば、一概にダメ!と言われることはないでしょう。
キックオフミーティング
新しい企画がスタートする際のキックオフミーティングは沢山の部署の社員が参加します。その際に「管理部門としても理解しておきたいです」というイメージで主催部署に伝えれば参加できる可能性は高いでしょう。
さて、そんな会議に参加できたとして
どんなスタンスで臨むかというと
- メモをとる(傍観者気分ではダメ)
- 発言をする(共感と管理部門としての質問)
- 御礼をする(次回も呼んでもらえるため)
ですね。
特に、発言する。は自分が会議に参加している意味として必須ですし、主催部署に次回、呼んでもらうためには価値を出さなければなりません。
いずれにしても他部署の会議に
参加することのメリットは
- 他部署に自分の存在価値を理解してもらう
- 他部署の業務を管理部門としてサポートする参考にする
- 社内連携がスムーズになる
などが挙げられます。
いずれも管理部門社員の苦手とする項目ばかりです。
是非他部署の会議に参加して自分のプレゼンスをあげましょう!
管理部門マネージャーが他部署から受け入れられる方法③
前回のブログのつづきで本日も管理部門マネージャーが他部署から受け入れられる方法を記述します。
◆受け入れられるマニュアル③
「会って話そう」
時間軸と同様に、営業部門と管理部門で業務スタンスとして異なるのが、コミュニケーションの方法です。
具体的にいうと
営業部門は即時性やニュアンスをうまく伝えることが求められるため、原則としては直接会ってコミュニケーションを取ります。
反対に、管理部門は正確性を求めて業務をしているため、確実な証跡を残すために原則としてはメールでコミュニケーションを取ります。
やはり営業部門は顧客に対しても、取引先についてもお互いに顔を見ながら、雰囲気も確認しつつコミュニケーションを取る。ということに慣れていますから、当然のように管理部門に対しても、同じようなコミュニケーションレベルを求めます。
ちなみに、そんな営業部門のイメージは下記の書籍を読むとわかりやすいと思います。登場人物がいかにも昔堅気の営業マンって感じがしますね。
ベテラン営業マンと若手Web担当者がコンビを組んだら?: 勝ち抜く企業のBtoBマーケティング (ビジネス書)
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そうすると前回のブログでも記述しましたが、
- 管理部門から営業部門に業務依頼をした時
- 営業部門から管理部門に業務依頼をした時
なんかをした日には、齟齬が生まれて、相変わらず(笑)お互いがかみ合わずに業務が滞ってしまいます。
それではどうするか?
簡単です。
管理部門から営業部門へ行って会って話をするだけです。
営業部門の文化に合わせるだけです。
ただし、それがなかなかできないんですよね・・・
出来ない理由としては
理由①
業務がストップする
理由②
管理部門の席を外すことがはばかれる
理由③
営業部門へ行くといろいろ声を掛けられていやだ
あたりになるかと思います。
ではそれを改善する方法としては
改善①
管理部門の顧客は営業部門と認識し、自業務<依頼業務の意識で行動する
改善②
「なんとなく」席を外すことがはばかれる雰囲気があるのであれば、席を立つ時に「営業部へ○○の件でいってきま~す」と声を出して、用件を明確にすれば誰からも何も文句は言われません
改善③
確かに、営業部門にとって見慣れない管理部門の社員が自部門に来た際には、いろいろ頼んだり、聞きたくなったりするものです。そこは「御用聞き」として管理部門を代表して伺っておきましょう。何度も言いますが、管理部門の顧客は営業部門です。めんどくさがらずに用件を聞いたうえで、管理部門に持ち帰り、然るべき部門に伝えればそれで役割としては全く問題ありません。
以上のことから、是非直接コミュニケーションを取るようにしましょう。必ず受け入れられますし、評価は上がります。あらためてお伝えします。
管理部門から営業部門へ行って会って話をしましょう!
つづく
管理部門マネージャーが他部署から受け入れられる方法②
管理部門社員の特長として「専門性」があります。
日本のほとんどの会社では
経理部として入社したらずっと経理・・・
総務部として入社したらずっと総務・・・
システムとして入社したらずっとシステム・・・
という環境で育てられた管理部門の社員は、同じ部署で
「一般社員」
↓
「主任」
↓
「係長」
↓
「課長・マネージャー」
として出世していきます。
(出世できない人ももちろん同じ部署)
そのため、上記に記載した通り「専門性」は培われますが、その分前回のブログでお伝えしたように「融通が効かない」「自分のやり方でしか仕事をしない」という傾向が強くなります。
そこで、今回のブログでは管理部門のマネージャーが自身の専門性だけから抜け出して、社内で受け入れられるためのポイントを私の経験も交えながら記述していきたいと思います。
◆受け入れられるマニュアル①
「時間軸を合わせる」
例えば、営業部門と管理部門では流れている時間が違いますね。営業部門では「売上」という絶対的な指標をもとに、毎日毎日というよりも、会社によっては毎時毎時の売上を刻々と確認する(もしくは競う)という状況がほとんどになります。
それに対して、管理部門の時間軸は経理部であれば月次開示であったり、四半期決算であったりがベースになりますし、総務部にいたっては自分の経験では、業務に追われるということはあっても、どうしてもしなければならない「期限に迫られる」ということはありませんでした。つまり自分のさじ加減で時間はなんとでもなる。という状況だったかと思います。
そのため、営業部門と管理部門では業務に対するスピード感が変わってきます。
まとめると・・・
〇営業部門
・今日中に成果を出す
・70%の可能性で良いからとりあえずやってみる
〇管理部門
・間違いは厳禁のため、100%を求める
・じっくりと時間をかけて業務に取り組む
そんなスタンスが現状です。
そこで、
- 管理部門から営業部門に業務依頼をした時
- 営業部門から管理部門に業務依頼をした時
なんかをした日には、齟齬が生まれてお互いがかみ合わずに業務が滞ってしまいます。ですから、
- 管理部門から営業部門に業務依頼をした時の対応方法はまたご案内するとして、本日は
- の営業部門から管理部門に業務依頼があった際の対応方法を記述します。
それではどうするか?
簡単です。
1時間以内に150%の成果で対応するだけです。
それさえやれば受け入れられますし、自身の社内的な評価はあがること間違いなしです。
では、「1時間以内に150%の成果で対応する」方法をお伝えします。
① 今やっている自分の仕事をストップする
余程、決算開示の時間が迫っているなどのことが無い限りは、管理部門のマネージャークラスであれば1時間程度は自分の業務をストップすることはできるはずですし、できるような業務コントロールをするべきです。
② 求められた業務に対して3倍の成果を用意する
営業部門から管理部門に対して良くある依頼は、「データを用意して欲しい」という内容が多いです。そこで、欲しいと言われたデータの3倍のデータを用意するのです。例えば「前期の売上データが欲しい」と言われたら、「過去3年分の売上データ」を用意します。そうすることで営業部門の新しい視点にもなり、もちろん満足度も高まります。
③「1時間で回答します」と言う
営業部門の管理部門に対する一番の不安は「時間がかかり過ぎる」ことです。ですからその不安を解消することと、業務計画を立てやすくするため、そして自分にプレッシャーをかけるためにも、「1時間で回答します」と言いましょう。時間と数字に追われて業務をする。という日頃にない訓練ができるのでおススメです。
営業部門に対しては、上記対応をすればバッチリ受け入れられますし、こちらから依頼する際にもスムーズなコミュニケーションができるかと思いますし、もちろん回り回って最終的には自身の評価となりますから、是非管理部門のマネージャーは、営業部門はもとより、社内の各部署から業務依頼があった際には・・・
1時間以内に150%の成果で対応しましょう。
つづく
管理部門マネージャーが他部署に受け入れられる方法①
私が営業部門から管理部門に異動した際の反応にもあった通り、管理部門って会社にとっては
‟必要だとは思うけれど、なんか厄介だよね”
という存在なんだと思います。
どうして営業部門から見ると管理部門は厄介かと言うと
‟自分たちのルールでしか業務をしない”
ということが往々にしてあるからです。
図で表してみると・・・
営業部門って、いろんな打ち手を考えながら売上や利益と言った不確定な目標に立ち向かっている。というイメージがありますよね。
対して管理部門は・・・
現状の課題に対して、自分たちのルールに基づいておおよそ想定されたアウトプット(80点程度)をしておけば問題ない。という仕事のやり方がイメージされます。
しかしそれでは
自分たちの仕事をしている
というだけであり、
会社・従業員のために仕事はしていない
ということになります。
あらためて管理部門が社内で嫌われている理由は、
‟自分たちの業務ルールに固執している”
からです。
そんなに固執する理由はなんでしょうか。
- 管理部門としてのプライド?
- 業務効率の向上のため?
- 人員不足のため?
いろいろあるでしょうが、結局は
‟顧客のために仕事をするつもりがない”
という基本的な意識の問題です。
あくまでも管理部門の顧客は社内の従業員であり、その要望にいかに応えるかが管理部門の価値を高めていくことになります。
そのため本来であれば、下記の図のような仕事が求められます。
それぞれの課題に対して、管理部門の範疇で整理整頓するのではなく、顧客(従業員)の要望をじっくりと聞き、それに対する解決策を選択肢としていくつか提供する。これが社内で管理部門に求められていることです。
上記に関する具体例として私の経験を1つお伝えします。
以前よりあった課題として、本社のマネージャーの人事考課表は統一されていたため、どの部署のマネージャーでも同じ人事考課表を利用していました。
評価者からは
「どんな人事考課表でもつける評価は同じ」
という風潮があったため特に問題視はされませんでしたが、
被評価者からは
「業務と関係が薄い人事考課」
として見られ、評判はよくありませんでした。
そのため、被評価者からの声と社内の運用レベルを考え下記のような人事考課表を作成しました。
すべての人事考課項目を選択項目にすると運用も煩雑になり、評価にバラツキが出てしまうために、70%の必須項目を残した上で、30%をそれぞれの業務に適した人事考課項目を選択するという形としました。
そうすることで、従業員には
‟自分だけの人事考課表”
という意識が生まれ、これまでほとんど興味のなかった人事考課表に対して、
「選択項目の表現をもう少し変えてほしい」
「選択項目を増やしてほしい」
「人事考課表を作るのって大変ですね」
などの声が挙がってきたのは必然でした。
このような活動で、他部署に受け入れられることで管理部門として価値を高めて行くことは非常に重要なことと思い、ひいては会社全体の生産性を高めることにつながりますので、今後も管理部門マネージャーの参考になればと思いながらブログを記述していきます。
つづく
私の管理部門としてのプロフィール
管理部門のマネージャーに対するメッセージの前に、
2004年7月に管理部門に異動した私のプロフィールを記載します。
総務部教育チーム マネージャー(2004年7月~)
総務部人事チーム チーフマネージャー(2010年5月~)
- 採用責任者として入社学生のレベルを上げる
- 人事考課に対して360度評価および相対評価を導入
法務・コンプライアンス室 室長(2013年6月~)
- 公正取引委員会と下請法勧告交渉
- システムトラブルに伴なう企業紛争
以上になります。
部署としては総務部と法務に所属しておりましたが、企業年金業務では経理部と業務をともにし、システムトラブルでは情報システム部と打ち合わせを重ね、相手企業に対して紛争を実施しており、管理部門全体にて業務を実施してきました。
その中で、感じてきた社内における管理部門の立場と弱さや、今後の可能性についてメッセージとして記していきたいと思います。
つづく
私が管理部門のマネージャーになった時の話
2004年の夏のある日、店舗に店長として勤務していた私のところに取締役総務部長から電話がありました。
「来月から本社の総務部へ異動になる」
「マネージャーとして教育を担当してもらう」
実は初めて会話する取締役総務部長からそんな話がありました。
「はい。わかりました」
と返事はしたものの気持ちは複雑でした。
店舗勤務も9年が過ぎ、店長も5店舗目を任されており、当時店長を務めていた店舗も全店66店舗の内で2番目に売上が大きな店舗だったため、自分の気持ちの中には
‟店長として、現場としてやれることはやりきった”
‟次は本社で大きな領域で業務に携わりたい”
という気持ちが湧いていたので、本社での異動は魅力的でした。
しかし総務部という部署にどうしても魅力を感じることができませんでした。
- 地味・・・
- 何でも屋・・・
- 何をやっているかわからない・・・
自分の総務部のイメージはこんな感じだったので、いくら自分の得意な領域である「教育」を担当する。ということであっても「嬉しい」という気持ちになかなかなれなかった正直なところでした。
そんな中でもひとつだけ密かに嬉しいことがありました。
それは
‟30年間の会社の歴史の中で店舗から管理部門に異動は初”
という
他の社員と違う
という出来事でした。
ただし異動に対する周囲のコメントは・・・
「なにか悪いことやって処分?」
「一旦総務部付で辞めるんですか?」
「総務って面白いんですか?」
という内容であり、やはり管理部門に関してはネガティブが反応がほとんどでありました。
よくよく考えるとこれが、一般社員や営業系社員の正直な感想であり、管理部門に異動するということは
普通じゃない
ことなのだと思われます。
やはり会社の数字は営業が作っており、数字を生み出さない管理部門に異動することは普通ではない。という周囲の見方でした。
ただし、この周囲の反応こそが私を管理部門で頑張って行こうと思わせる原動力になりました。
つまり普通じゃないことに価値を置く自分としては
あらためて
他と違う
ということを自分は信念にしていることを認識しました。
私の管理部門マネージャーに対する想い
社内において管理部門のマネージャーってどんな印象でしょうか?
- 何をやってるかわからない
- 営業を知らない
- 頭でっかち
そんなところじゃないでしょうか。
11年間管理部門に所属していた私もそのように思います。
私は小売業で、5年の店長経験を踏まえて9年間の店舗営業部門に所属し、その後、会社の歴史で初めて営業部門から管理部門に異動し、11年間の管理部門管理職の経験をした後に、現在は営業部門の部長をしています。
ただ、自分のなかでは自身のキャリアのメインストリームは管理部門だと思っており、そこで成長できたことが、自信にもつながり、それが現在の営業部門での業務に役立っていると思います。
しかし、私と時を同じくして管理部門のマネージャーをしていた同僚社員は、いつまでもマネージャーのままであり、社内で存在価値も発揮できずに、上記に記載したような
- 何をやってるかわからない
- 営業を知らない
- 頭でっかち
という印象を社内に持たれながら、それを認識している、認識していないは別にしながらも日々を業務をこなしながら安穏と過ごしているように思われます。
そんな風に思う役員や営業部門の社員も多いのではないでしょうか。
それは、管理部門マネージャーにとっても良いことではありませんし、役員や営業部門、ひいては会社全体を底上げし成長させるにあたって障害になってしまう理由にもなりかねません。
また何よりも私が管理部門として
「営業部門には負けたくない」
「もっと管理部門を認めてもらいたい」
という思いで業務をしてきたため、そんな風に社内から思われてしまうのは忸怩たる思いになります。
もっと管理部門のマネージャーには社内で価値を高めるような業務をしてほしいですし、社内のみならず日本中の管理部門マネージャーが会社の業績や生産性に貢献し、管理部門マネージャーとして自身の重要性を会社にアピールしていただきたいと思います。
ですからこのブログでは私の経験を主に
『管理部門マネージャー強化マニュアル』
として、管理部門マネージャーが
- 社内でどのように成果を出していったら良いか
- 出世するための社内の立ち振る舞い
- 自分が存在価値を出しているという自信を持つ
そんなところを目標に記述していきたいと思います。
もちろん、管理部門マネージャーの育成に悩んでいる社長や管理本部長、人事部長に向けて管理部門マネージャーを
という視点でも記述していきたいと思いますので、参考になればと思います。
以上